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アモルファス高分子の高次构造形成や粘度上昇をもたらす分子ユニット-わずか数%で高分子物性が剧的に変化-

【要点】

  • 水分に弱い水素结合とは原理的に异なる新しい会合性分子ユニットを発见
  • 高分子量かつ分子量分布の広いアモルファス高分子へ适用可能
  • アモルファス高分子材料への热可塑性の付与やナノパターニング材料、物质输送材料などへの応用に期待

【概要】

東京工業大学 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所の石割文崇助教、福島孝典教授らの研究グループは、同物質理工学院 応用化学系の戸木田雅利准教授、东北大学 多元物質科学研究所 高田昌樹教授(理化学研究所 放射光科学研究センターグループディレクター)と共同で、高分子鎖の末端に導入するだけでアモルファス高分子(用语1)に3次元的な高次构造を诱起し、剧的な粘度の上昇をもたらす分子ユニットを开発した。

高分子に3次元の规则构造を诱起する技术(用语2)は、ナノパターニング材料や物质输送材料、フォトニック材料の开発など、様々な分野で重要となっている。研究グループは、特异な置换パターンを持つトリプチセン诱导体(用语3)を、広く产业で用いられているポリジメチルシロキサン(用语4)の末端のみに导入した新たな分子を作製。このテレケリックポリマー(用语5)の构造を调べたところ、トリプチセンが入れ子状に自己集合した2次元シートが、规则的に积层して3次元构造を形成することを発见した。この构造変化によって、室温で液体だったポリジメチルシロキサンの粘度が1万倍以上に上昇したことで固体化し、热可塑性(用语6)を付与できることも明らかとなった。

このトリプチセン分子ユニットは、一見大きな会合力を持たないように見えるが、分析してみると非常に高い自己集合能力を持つ新しい会合性分子であることがわかった。このような高分子の末端修飾法は、様々な高分子系にも適用できると期待される。また、置換基の位置のみが異なるトリプチセン诱导体を導入しても上記のような構造化は全く示さないという興味深い結果も得た。

本研究成果は、2018年10月3日(米国时间)に米国化学会誌「Journal of the American Chemical Society」に掲载された。

今回発见した分子ユニット「1,8位置换トリプチセン」を导入したテレケリックポリジメチルシロキサン(左)と、既存の4重水素结合性官能基を导入したテレケリックポリ(オリゴ)ジメチルシロキサン(右)の物性差。

【用语説明】

(1)アモルファス高分子
特定の构造を取らない、ランダムな锁状态の高分子。非晶性高分子とも呼ばれ、液体状态?ガラス状态を取る。

(2)高分子への3次元的规则构造の诱起
高分子材料に、ナノメートル(1ナノメートルは10亿分の1メートル)の球状构造や层状构造、シリンダー构造など高次构造を形成させること。通常は、互いに混ざりにくいポリマー锁を连结したブロックコポリマー(用语7参照)の自己集合(ミクロ相分离)によりこれら高次构造が形成される。この3次元构造を利用した、フォトニック结晶などの光学材料や、イオン?分子?ガス透过材料などの开発が盛んに行われており、特に自発的にナノパターンを形成するレジスト材料としての応用が期待されている。

(3)トリプチセン诱导体
3枚のベンゼン环が120°の角度で连结された下记の构造を持つ刚直なプロペラ状分子。置换基の位置を示すために番号付けがされている。分子の周辺には、ベンゼン环に挟まれた大きな空间(自由体积)がある。研究グループはこれまでに、1,8,13位に置换基を导入したトリプチセン分子が、3枚羽プロペラ构造を蜂の巣状の最密充填构造を形成することを见出した。
参考文献:Rational synthesis of organic thin films with exceptional long-range structural integrity N. Seiki, Y. Shoji, T. Kajitani, F. Ishiwari, A. Kosaka, T. Hikima, M. Takata, T. Someya, T. Fukushima, Science 2015, 348, 1122?1126

(4)ポリジメチルシロキサン
シリコンオイルのオイルとして利用される液体状の高分子。PDMSとも呼ばれる。化学的な架橋により3次元的なネットワークを取らせることにより固体化し、シリコンゴムとして用いられるが、液体状と固体状態の相転移を熱で誘起すること、すなわち、热可塑性(用語6参照)を持たせるは困難であるとされている。

(5)テレケリックポリマー
高分子の両末端に置换基を导入したポリマーのこと。

(6)热可塑性
低温状态では固体であるが、高温になると融解し液状になる性质のこと。

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问い合わせ先

东北大学 多元物質科学研究所 広報情報室
E-mail:press.tagen*grp.tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)
罢别濒:022-217-5198 贵补虫:022-217-5211

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