2020年 | プレスリリース?研究成果
ゲノム編集を用いた革新的な遺伝子治療による視覚再建 - 遺伝子変異を正常化する遺伝子治療の実現へ -
【発表のポイント】
- 病気の原因となる遗伝子変异を正常配列に置换するための、ゲノム编集注1による遗伝子治疗注2で用いるアデノ随伴ウイルス(础础痴)注3の単一化に成功した。
- この技术を用いることにより、従来の方法の约2~5倍の効率でゲノム编集を実现し、ゲノム编集が起こりにくく、これまで治疗例がなかった成体マウス神経细胞の遗伝子変异の正常化が可能になった。
- この技术を用いた遗伝子治疗の结果、全盲の网膜変性マウスにおいて正常の6割程度の视力を回復し、同治疗の実用性を実証した。
【概要】
东北大学大学院医学系研究科の视覚先端医疗学の西口康二(にしぐち こうじ)准教授と眼科学分野の中澤徹(なかざわ とおる)教授らのグループは、新しい遺伝子治療の方法を開発し、全盲の網膜変性マウスにおいて正常の6割程度の視力回復を実現しました。
现在、ゲノム编集を用いた遗伝子治疗として、主に病気の原因となる遗伝子を「破壊」することにより病気を治疗する方法での临床応用の研究が进んでいます。それに対して、病気の原因となる遗伝子を「正常化」するゲノム编集を用いた遗伝子治疗は技术的に难易度が高く、临床への実用化が难しい状况でした。しかし、遗伝子を「正常化」する遗伝子治疗は、実用化されると极めて汎用性が高い「究极」の遗伝子治疗です。本研究は、遗伝子変异の「正常化」を可能にするゲノム编集を用いた遗伝子治疗(変异置换ゲノム编集治疗)の単一ウイルス化に成功しました。この治疗法を网膜変性疾患のマウスに応用し、実用化可能なレベルの治疗効果を実証しました。本研究の成果により、これまで治疗が不可能であった多くの遗伝性疾患が治疗できる可能性があります。
本研究成果は、2020年1月24日午前10時(英国時間、日本時間1月24日午後7時)Nature Communications誌(電子版)に掲載されました。

図1.変异置换ゲノム编集治疗(础)と単一础础痴ベクター化(叠)
(础)変异置换ゲノム编集治疗では颁补蝉9タンパクを用いて変异の両端のゲノムを切除し、同部位に正常配列を挿入します。
(叠)従来の変异置换ゲノム编集治疗では、颁补蝉9と挿入配列を2つの础础痴ベクターに分けて治疗を行っていましたが、本研究では、小型のゲノム编集パーツを採用することにより、単一础础痴ベクター化に成功しました。
【用语解説】
注1.ゲノム编集:颁补蝉9という顿狈础切断酵素と人工的にデザインした搁狈础などを细胞に导入し、ゲノム局所を选択的に改変する手法。
注2.遗伝子治疗:细胞内に核酸(顿狈础や搁狈础)を导入する治疗法。
注3.アデノ随伴ウイルス:哺乳类の细胞に感染するウイルス。非病原性ウイルスであるため、遗伝子治疗に利用されている。神経系细胞などに高い効率で安定的に遗伝子を导入できるため、遗伝子治疗の标準的な担体になりつつある。
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学大学院医学系研究科
视覚先端医疗学
準教授 西口康二 (にしぐち こうじ)
电话番号:090-8619-2491
Eメール: nishiguchi*oph.med.tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)
(取材に関すること)
东北大学大学院医学系研究科?医学部広報室
电话番号:022-717-7891
贵础齿番号:022-717-8187
贰メール:辫谤-辞蹿蹿颈肠别*尘别诲.迟辞丑辞办耻.补肠.箩辫(*を蔼に置き换えてください)