2020年 | プレスリリース?研究成果
半導体における長寿命電子スピン波の発見 -「スピン波」が拓く超省電力?量子情報デバイスへの期待 -
【発表のポイント】
- 半导体中における长い持続时间を示す电子スピン波の発见
- これまで研究が进められてこなかった结晶方向でスピン波が最も安定
- 础滨?滨辞罢や量子コンピューティングに必要となる超省电力素子への期待
【概要】
电子がもつ磁石の性质であるスピンを利用した次世代スピントランジスタは、従来のトランジスタと比较し、消费电力の大幅低减が期待されています。この时、スピンが向きを揃え一斉回転しながら空间伝搬するスピン波は、半导体中のスピン回転制御やスピン情报输送手段として必要不可欠です。
东北大学大学院工学研究科?高等研究機構新領域創成部(FRiD)の好田誠 准教授らの研究グループは、ヴィクトリア大学ウェリントン(ニュージーランド)と協力して、新たな情報担体として期待されている半導体のスピン波(※1)が、従来よりも长时间持続できる结晶方向(※2)を発见しました。本研究ではスピン波が伝搬する结晶方向を适切に制御し、内部磁场の影响が最も抑制できる结晶方向を理论的に明らかにしました。その结果、従来と比较しスピン波が30%も长寿命化することを突き止めました。
本研究の内容は6月15日(米国時間)に、米国物理学会の学術誌「Physical Review B」にて掲載され、Editor's suggestionに選ばれました。

図1 电子スピンの向きが回転しながら秩序だって伝搬されていくスピン波のイメージ。スピン波は结晶内に発生する微小な高次ドレッセルハウス磁场によって向きが崩れてしまう。
【用语解説】
※1 スピン波
电子のもつ磁石の性质であるスピンが、その向きを回転させながら空间伝搬する现象です。その名称は、スピンの向きが回転しながら波をつくる様子に由来しています。
※2 结晶方向
结晶は种々の原子から构成されており、その结晶内の配置を一意に取り决めている尺度が结晶方向となります。
问い合わせ先
(研究に関して)
东北大学大学院工学研究科 知能デバイス材料学専攻
准教授 好田 誠
TEL: 022-795-7317
E-mail: makoto*material.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(取材に関して)
东北大学工学研究科情报広报室
担当 沼澤 みどり
TEL: 022-795-5898
E-mail: eng-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)