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【TOHOKU University Researcher in Focus】Vol.012 日本の技術力を活かすには ―グローバル化と国際経営学―

本学の注目すべき研究者のこれまでの研究活动や最新の情报を绍介します。

経済学研究科 金 熙珍 准教授

経済学研究科 金 熙珍 (キム ヒジン) 准教授

グローバル化が进むと、世界市场は均一化するのでしょうか。80年代のアメリカでは、いずれ世界市场はすべて収れんしていくという主张が主流でした。マクドナルドやコカ?コーラなどに代表されるメイド?イン?アメリカ製品が世界を席巻していた时代だったからです。しかし、その予想はみごとに外れ、国际経営戦略の変更が迫られることになりました。何が起こったのでしょう。

日系公司のジレンマ

一时期、多国籍公司は安い人件费を求め、こぞって新兴国の市场に参入しました。ところが90年代后半を迎える顷から潮流が変わりました。新兴国市场の経済成长に伴い、新规需要をめぐる竞争が激しくなったのです。

公司が海外展开を决めると、その瞬间からさまざまな问题に直面します。その问题を取り扱うのが、国际経営学です。金さんは、海外に进出した日系公司?韩国公司ををアジアの约10カ国で调査してきました。

当初、日系公司は、中国やインドといった巨大新兴国市场への进出に际して、国内贩売では型落ちとなった高品质のハイエンド製品を、现地の富裕层相手に売り込む戦略をとっていました。しかしその戦略は、アジアの新兴国が顺调に経済発展する中で、ボリュームゾーンと呼ばれる中间所得者层が台头してきたことで狂いを生じました。世界中の多国籍公司が参入して激しい竞争を繰り広げる中で、ボリュームゾーンの需要への食い込みで后れをとることになってしまったというのです。

金さんは、祖国韩国の大学生时代、バックパックを背负ってインドやエジプト、アジアの国々を旅していました。様々な异文化の町を歩き回りながら、人々の生活习惯や価値の违いを発见することを楽しんでいたといいます。学部ではデュアルディグリーで英文学と国际学を専攻した金さんは、アジアにおける多国籍公司(2ヵ国上で事业展开を行っている公司)の戦略、なかでも特に日本公司に兴味をもったことから、东京大学大学院で国际経営学を学ぶことにしました。

経営学を本格的に学んだことで见えてきたのは、日系公司の戦略が、一般的に现地のニーズ把握とスピード感に欠けていたことです。従来の日本公司は、欧米市场を主なターゲットに、より高い技术と品质の标準製品を世界市场に展开しながら成长してきました。そのせいで、顾客のニーズ、品质やコスト感覚などが先进国市场とは大きく异なる新兴国市场への迅速な対応が容易ではありませんでした。一方、インドに进出した韩国系公司、中国系公司は、后発公司である弱みを克服するために现地のニーズに合った製品开発に力を入れていました。それにより、ボリュームゾーンとその予备军の需要を満たす仕组みづくりに成功し、良い成果を出せました。たとえば、韩国の尝骋电子がインドの伝统衣装が洗える洗濯机、インド料理の调理に最适化した电子レンジ、インド人が大好きなクリケットのゲーム搭载のテレビなどを次々と市场投入することで、市场シェア1位の座に上り詰めたのは有名な话です。

日顷からそうした製品を爱用していればメーカーへの爱着も涌きます。ハイエンドな製品を买う余裕が出たときも、同じメーカーの製品を买う気になるのが自然です。待っていれば、いずれあこがれの日本製品を买ってもらえるという日系公司の期待は里切られました。いいものを作っていれば売れるという神话が崩れたのです。その结果、多くの日本公司が戦略の见直しを迫られました。

先进国の国内需要は、买い替えが主で、全体的には缩小しています。したがってグローバル公司にとって、新兴国の大きな市场に食い込めるかどうかが切実な问题です。その际、技术力がいくら高くても、现地のニーズに合った製品でなければ売れません。技术を人间と社会につなげられる商品を开発してこそ、価値が生まれるのです。

たとえば、日本公司の成功例として有名な话があるそうです。中国で洗濯机の売れ行きがはかばかしくなかったパナソニックは、一计を案じ、中国人スタッフ20名ほどからなる生活研究所を现地に设立し、対面の市场调査を行ったといいます。その结果わかったのは、中国の多くの家庭では、下着は手洗いしていたという事実でした。その理由は、肌身につける下着は、笔惭2.5などの大気汚染で汚れた上着などといっしょには洗いたくないからというものだったそうです。そこでパナソニックは、现地の大学と杀菌机能付きの洗濯机を共同开発し、売り上げ向上に成功したというのです。

现在、新兴国に进出している多国籍公司は、现地の文化、言语、ニーズを理解できる现地スタッフやエンジニアを积极的に採用するようになっています。ただし、本社が培ってきた技术や経営のノウハウと现地市场のニーズをつなげるうえでは、さまざまな组织的な课题が生じてきます。金さんは、そうした局面で日系公司や韩国公司が抱える诸问题と解决方法の研究に取り组んできました。

具体的には、本社と海外拠点间における知识移転の促进?疎外要因、知识移転のカギとなる现地スタッフの採用?教育を含む人材マネージメントといった问题です。最近は、多国籍公司における言语の问题も扱っています。例えば、海外拠点の场合、主要言语を日本语にするのか英语にするのか现地语にするのかで、组织间の知识移転のあり方が変わってくるからです。

日本のものづくり公司を応援したい

调査研究を进めるうえで、多くの日本公司が协力要请に応じてくれています。日本の経営学は、日系公司から积极的な协力が得られてきたおかげで発展してきたといってもよいくらいなのだそうです。金さんの调査方法は现场に出向いてのインタビューが主体です。経営の最前线で活跃する方々から生きた経験を共有させてもらうことで、新たな経営现象の把握?分析が可能になります。日本のモノづくりを支えている技术者たちは、インタビューに対して情热的に语ってくれるので、インタビューする侧も、调査に力が入ります。

日本の高い技術力は強みであり、それを今後も海外市場のニーズとうまくつなげていくための戦略が問われています。企業は、そうした要請を満たす人材を求めているそうです。金さんは、学生にもそのようなグローバル化の新たな展開と企業戦略に興味を持ってもらいたくて、講義やゼミの内容を工夫しているそうです。たとえば、学部ゼミの合宿では台湾、韓国、中国、タイ、香港などで活躍する日本企業を訪問してきました。また、全国から約30ゼミが参加する論文大会「IB(International Business)インカレ」に毎年参加し、国際経営の研究活動を他大学の学生と競わせています。

昨年までは、夏休みは海外调査に出ていた金さんですが、コロナのせいで今年はそうもいきませんでした。しかし、仙台での暮らしが大好きなので前向きに考えるようにしているそうです。

文責:広報室 特任教授 渡辺政隆

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