2021年 | プレスリリース?研究成果
神経-グリアの超回路相互作用の解明 脳内デュアルレイヤー情報処理の細胞生理学的基盤
【本学研究者情报】
〇本学代表者所属?职?氏名:大学院生命科学研究科超回路脳机能分野?教授?松井 広
【発表のポイント】
- 脳内グリア细胞*1は、まわりの神経细胞から放出されるグルタミン酸*2に応答し、グルタミン酸を放出することが明らかになりました。このことから、グリア回路と神経回路は相互に作用しあう超回路となっていることが判明しました。
- 私たちは、全く同じ経験をしても、记忆される时とされない时とがありますが、グリア细胞の机能を操作することで効果的な学习が成立する可能性があります。认知症などの治疗にも役立つことが期待されます。
【概要】
脳内には、神経回路とグリア回路のデュアルレイヤーの情報処理回路が存在し、両者は緩やかに相互作用をする超回路を形成します。东北大学大学院医学系研究科の別府薫(日本学術振興会特別研究員)、东北大学大学院生命科学研究科(大学院医学系研究科兼任)の松井広教授らのグループは、グリア細胞には、まわりの神経细胞から放出されるグルタミン酸に応答し、興奮性の神経信号を増幅する機能があることを明らかにしました。グリア細胞は神経細胞から放出されたグルタミン酸を取り込む際に、細胞内に流入するイオンによって酸性化し、この酸性化によって、グリア細胞から逆にグルタミン酸が放出され、学習や記憶が成り立つ上で重要な代謝型グルタミン酸受容体を効率的に活性化することが分かりました。グリア由来グルタミン酸放出は、グリア細胞内のpHに依存するため、グリアの状態次第で、学習が成立するかどうかが左右される可能性が示されました。
本研究成果は、2021年2月2日付でJournal of Physiology誌にAccepted Articlesとして掲載されました。

【用语解説】
*1 グリア细胞:
脳内の细胞は、神経细胞とグリア细胞に分类されます。神経细胞は活动电位で情报を表现し、神経细胞同士をシナプス结合でつなぐネットワークで脳内情报処理が进むと考えられてきています。グリア细胞は、神経细胞の隙间を埋めて、神経细胞への栄养供给をする存在だと考えられてきましたが、近年、グリア细胞も特有の情报表现をしていて、神経细胞の担う情报処理に影响を与えることが认识されるようになってきました。
*2 グルタミン酸:
脳内の兴奋性神経细胞の多くは、伝达物质としてグルタミン酸を使います。神経细胞から放出されたグルタミン酸は、シナプス结合した别の神経细胞を兴奋させます。细胞外のグルタミン酸は、拡散して薄まり、最终的にはグリア细胞のグルタミン酸トランスポーターを介して、グリア细胞内に取り込まれて除去されます。
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学大学院生命科学研究科
担当:教授 松井 広(まつい こう)
电话番号:022-217-6209
贰メール:尘补迟蝉耻颈*尘别诲.迟辞丑辞办耻.补肠.箩辫(*を蔼に置き换えてください)
(报道に関すること)
东北大学大学院生命科学研究科広報室
担当:高橋 さやか (たかはし さやか)
電話番号: 022-217-6193
Eメール: lifsci-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)