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配位高分子で実现する新奇な超伝导状态を発见

【本学研究者情报】

〇本学代表者所属?职?氏名:金属材料研究所?教授?佐々木 孝彦

【発表のポイント】

  • 二次元カゴメ格子をもつ配位高分子において新奇な超伝导状态を発见した。
  • カゴメ格子上に配列した铜イオンが有机分子と高密度に连结することで、铜酸化物高温超伝导体や鉄系高温超伝导体に类似した非従来型超伝导が実现していることを明らかにした。
  • 配位高分子材料において、超伝导をはじめとするさまざまな电子物性を探索するきっかけとなることが期待される。

【概要】

東京大学大学院新領域創成科学研究科の竹中崇了大学院生(研究当時、現在NTT物性科学基礎研究所)、石原滉大大学院生、水上雄太助教、橋本顕一郎准教授、芝内孝禎教授、渡邉峻一郎准教授、竹谷純一教授、同物性研究所の山下穣准教授、上床美也教授らは、东北大学金属材料研究所の佐々木孝彦教授、中国科学院と共同で、二次元カゴメ格子をもつ配位高分子(注1)において、新奇な超伝導状態を発見しました。ナノメートルサイズの細孔をもつ配位高分子材料は、金属有機構造体(Metal organic framework: MOF)と呼ばれ、エネルギー貯蔵や触媒材料としての応用が期待されています。これまでMOF材料は、化学分野においては精力的に研究されてきましたが、電気を流さない絶縁体であるため、電子物性の研究はほとんど行われてきませんでした。本研究により、MOF材料においても、電気をよく流す金属状態が実現し、さらに低温で銅酸化物高温超伝導体や鉄系高温超伝導と類似した非従来型超伝導(注2)を示すことが明らかとなり、今後、MOF材料がもつデザイン性の高さを有効活用することで、固体物理学の分野において、MOF材料による新規な電子物性の探索が加速することが期待されます。

本研究成果は2021年3月17日付けで、米国科学誌 Science Advances にオンライン掲載されました。

本研究は科学研究费新学术领域研究(研究领域提案型)「量子液晶の物性科学」(领域代表:芝内孝禎教授)摆闯笔19贬05824闭、学术変革领域研究(础)「高密度共役の科学」(领域代表者:関修平教授)摆闯笔20贬05869闭等の助成を受けて行われました。

図1:(左上)c轴方向から见た颁耻-叠贬罢の结晶构造。铜颁耻(青色)と硫黄厂(黄色)と炭素颁(赤色)が二次元シートを构成しており、铜イオンは歪みのない完全なカゴメ格子(緑色の実线)を形成している。炭素と硫黄からなる有机配位子であるべンゼンヘキサチオール(叠贬罢)は铜原子と高密度に结合しており、高い伝导性を获得している。
(左下)面间方向の结晶构造。二次元シートが面间方向に积层していることが分かる。(右)操作型透过电子顕微镜(厂罢贰惭)による颁耻-叠贬罢の原子像。右上の挿入図は白枠部分(中央下)の拡大図を示している。

【用语解説】

(注1)配位高分子
金属イオンと有機配位子からなる連続体構造をもつ金属錯体を配位高分子と呼ぶ。特にナノメートルサイズの細孔をもつ配位高分子を金属有機構造体(Metal organic framework: MOF)と呼び、エネルギー貯蔵や触媒材料としての応用が期待されている。

(注2)非従来型超伝导
一般的な超伝导体は、バーディーン、クーパー、シュリーファーの3人によって1957年に発表された叠颁厂理论によって説明される。叠颁厂理论では、电子と格子振动の间の相互作用によって2つの电子の间に引力が働き、超伝导电子ペアを形成することによって超伝导状态が実现する。一方、1986年に発见された铜酸化物高温超伝导体や2008年に発见された鉄系高温超伝导体などの强相関电子系と呼ばれる物质群では、反强磁性秩序近傍で超伝导が発现することが多く、磁気的な揺らぎを介して超伝导电子ペアが形成されることから、非従来型超伝导体と呼ばれる。

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问い合わせ先

<研究に関すること>
东北大学金属材料研究所
教授 佐々木 孝彦(ささき たかひこ)
TEL: 022-215-2025 / FAX: 022-215-2026
Email: takahiko*imr.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

<报道に関すること>
东北大学金属材料研究所 情報企画室広報班
TEL: 022-215-2144 / FAX: 022-215-2482
Email: pro-adm*imr.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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