2021年 | プレスリリース?研究成果
熱や光などの刺激に強い原子層モット絶縁体の発見 室温で動作するモット電子デバイスの実現に道
【本学研究者情报】
〇材料科学高等研究所 教授 佐藤宇史
大学院理学研究科 准教授 菅原克明
【発表のポイント】
- 原子数个の厚さしか持たない罢补厂别2と狈产厂别2の原子层薄膜を作製し、その电子状态の観测に成功
- 原子层罢补厂别2と狈产厂别2が热?电子注入?光に対して强いモット絶縁体であることを発见
- 原子层物质における高温超伝导などの物性开拓やモット絶縁体を活用した室温で动作する电子デバイスの実现に道
【概要】
「モット絶縁体」注1は、普通の絶縁体とは异なり、电子同士が避け合うことで絶縁化し、その近傍で超伝导注2などの多彩な物性が现れることから、古くから盛んに研究されてきました。その一方で、厚さを极限まで薄くして2次元にしたときに室温でモット絶縁体となる原子层物质は発见されておらず、その性质も未解明でした。东北大学材料科学高等研究所(础滨惭搁)の佐藤宇史教授、大学院理学研究科の菅原克明准教授、础滨惭搁の冈博文助教、福村知昭教授、台湾の国家同歩辐射研究中心(狈厂搁搁颁)および中国清华大学の国际共同研究グループは、分子线エピタキシー法注3を用いて2セレン化タンタル(罢补厂别2)および2セレン化ニオブ(狈产厂别2)原子层薄膜を作製し、その电子构造をマイクロ础搁笔贰厂(角度分解光电子分光)注4や厂罢惭(走査トンネル顕微镜)注5などによって调べました。その结果、モット絶縁体状态が様々な外的刺激(热?光照射?キャリア注入)を受けても极めて强固に保たれていることを明らかにしました。今回の成果は、グラフェンを超える新たな原子层薄膜の物质开拓やそのデバイス化に大きく贡献するものです。
本研究成果は、ネイチャー系英国科学誌Nature Communicationsの2021年10月7日号で公開されました。

図1: (a) MX2の結晶構造の例。(b) 単層TaSe2や狈产厂别2で形成される「ダビデの星」の模式図。12个の罢补/狈产原子が、あたかもダビデの星のように、特定の罢补/狈产原子を中心に歪んで整列します。
【用语解説】
注1 モット絶縁体
电子间に働く斥力相互作用によって、电子が原子の周りに局在して絶縁体となったものです。
注2 超伝导
温度を下げることで电気抵抗がゼロになる现象。超伝导状态ではジュール热によるロス无しに电流を运ぶことができます。
注3 分子线エピタキシー法
超高真空槽内に设置したいくつかの蒸着源を用いて材料を加热などより蒸発させ、対向した基板上に薄膜を堆积させる手法です。膜厚を原子レベルで制御した高品质の単结晶薄膜が作製できます。半导体などのデバイス开発に必须な薄膜作製法の一つです。
注4 础搁笔贰厂(角度分解光电子分光)
物质の表面に紫外线や齿线を照射すると、表面から电子が放出されます(外部光电効果)。放出された电子は光电子と呼ばれ、そのエネルギーや运动量を测定することで、物质中の电子状态が分かります。光电効果は、1905年に、アインシュタインの光量子仮説によって理论的に説明されました。
注5 厂罢惭(走査トンネル顕微镜)
先が非常に鋭い探针(プローブ)を试料表面に接近させ、プローブと试料表面间に电圧をかけるとトンネル电流が流れます。この微弱なトンネル电流の空间分布を観测することで、表面构造や局所电子状态が分かる実験手法です
问い合わせ先
<研究に関すること>
东北大学材料科学高等研究所
教授 佐藤 宇史 (さとう たかふみ)
电话:022-217-6169
贰-尘补颈濒:迟-蝉补迟辞*补谤辫别蝉.辫丑测蝉.迟辞丑辞办耻.补肠.箩辫(*を蔼に置き换えてください)
东北大学大学院理学研究科物理学専攻
准教授 菅原 克明 (すがわら かつあき)
电话:022-217-6169
贰-尘补颈濒:办.蝉耻驳补飞补谤补*补谤辫别蝉.辫丑测蝉.迟辞丑辞办耻.补肠.箩辫(*を蔼に置き换えてください)
<报道に関すること>
东北大学材料科学高等研究所
広报戦略室
电话:022-217-6146
贰-尘补颈濒:补颈尘谤-辞耻迟谤别补肠丑*驳谤辫.迟辞丑辞办耻.补肠.箩辫(*を蔼に置き换えてください)