2022年 | プレスリリース?研究成果
地熱エネルギーの社会受容性 ― 社会アンケートと数値モデルを用いた合意形成の可視化 ―
【本学研究者情报】
〇环境科学研究科 教授 土屋范芳
【発表のポイント】
- 福岛県土汤温泉の温泉バイナリー発电事业に関わるさまざまなステークホルダーに対して社会アンケート调査を実施。
- アンケート結果を基に、ABM(Agent-Based Model)を用いて温泉バイナリー発電事業の合意形成のプロセスを可視化。
- 地域构造のネットワークとそれを构成するエージェント(人)间の関係をデータ駆动型のパラメータで関係づけ、新しい社会受容性形成モデルを提案。
- このモデル化手法を用いて、地热エネルギーの社会受容性の熟成プロセスの思考実験が可能となり、地域にとって适切な开発目标の设定が可能。
【概要】
世界第3 位の地熱資源量を誇る日本ですが、その地熱発電量は国内の発電量の0.2%未満です。そのもっとも大きな理由とされるのは周辺の温泉地域からの反対により開発が進まないことです。福島県土湯温泉は、福島第一原発事故で大きな風評被害を受け、旅館の廃業など大きな影響を受けながら、地域の温泉資源を活用した温泉バイナリー発電で町おこしを行い、復興の歩みを進めています。
东北大学大学院环境科学研究科の土屋範芳教授らの研究グループは、福島県土湯温泉地域に対して、地熱エネルギー利用に関する社会アンケートを実施し、その結果を基に、地熱エネルギーの利用に関わる社会受容性の熟成を、ABM(Agent-Based Modeling)という、新しい数値シミュレーション方法で解明し、SLO(Social License to Operate:社会や地域コミュニティにその事業活動が受け入れられること)の形成プロセスを数値的に明らかにしました。本研究は、新しい数値シミュレーション技法を用いて、地域社会のネットワーク構造と合意形成のプロセスの可視化に成功した研究です。
社会科学と自然科学を融合させ、地热エネルギーの利用を多面的に考察する研究で、地热エネルギーのみならず、地域とさまざまな再生可能エネルギー开発の社会受容性の解析など、広い范囲への応用展开が期待されます。
本成果は、2月28日午前10時 (イギリス時間)に科学誌Scientific Reportsでonline 公表されました。

図1 土汤温泉の础驳别苍迟のネットワーク构造。社会アンケート结果から、各础驳别苍迟间の関わりをネットワークモデルとしてとらえ、础驳别苍迟の属性、影响力、また各础驳别苍迟间の関係性を数値化した。このネットワーク构造を基础として、意见の伝搬と合意形成のプロセスを可视化した。础驳别苍迟间に导入したパラメータは、意见の倾向(罢)、相互関係(滨笔)、及び影响力(滨)の3つ。各础驳别苍迟间の賛成?反対しやすさを表す「意见の倾向」(罢)は意见データと属性データの関係性をベイズ推论という统计的因果推论手法を用いて确率分布として求めた。また、相互作用の确率(滨笔)はネットワーク上の距离から、影响力(滨)はネットワーク上における重要性を表す中心性と呼ばれる指标を用いている。
问い合わせ先
<研究に関すること>
东北大学大学院环境科学研究科
教授 土屋 範芳
電話: 022-795-6335
E-mail: noriyoshi.tscuhiay.e6*tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)
<报道に関すること>
东北大学大学院环境科学研究科
情报広报室
助手 物部 朋子
電話: 022-752-2241
FAX: 022-752-2236
E-mail: tomoko.monobe.d4*tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)
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