2022年 | プレスリリース?研究成果
リチウムやナトリウム金属の針状析出発生抑制に成功 アルカリ金属負極蓄電池の実現へ向けた大きな一歩
【本学研究者情报】
〇金属材料研究所 教授 市坪哲
【発表のポイント】
- アルカリ土类金属※1塩などの多価イオンを电解液に添加することにより、リチウムやナトリウム金属は、比较的平坦な析出形态になることを発见しました。
- 多価イオンの导入により、一価のリチウムイオンやナトリウムイオンはアニオン(阴イオン)とより强く结合する倾向があることを示しました。
- リチウムやナトリウムを用いたアルカリ金属※2负极电池の性能と安全性を向上させる新しい电解液设计の重要な指针を与えるものです。
【概要】
蓄电池の负极电极材料候补の中で、「金属负极」はもっとも高い电荷容量密度を有しており、エネルギー密度向上の観点からその実用化が期待されてきました。しかし、金属単体の析出?溶解反応の制御は难しく、安定な充放电特性を维持することが困难です。特に、リチウムやナトリウムなどのアルカリ金属元素は、电极付近の浓度?电场分布の変动により、针状の様な树枝状结晶(デンドライト)が形成され、电极から剥がれやすく、电池内部で短络を引き起こし、サイクル寿命を低下させてしまいます。この问题は、リチウムイオン电池の诞生以来、根本的に解决するべき喫紧の课题として残り続けています。
东北大学金属材料研究所の李弘毅 特任助教、村山将来 大学院生(当時、大学院工学研究科)および市坪哲 教授は、カルシウムなどのアルカリ土类金属塩をリチウムイオンやナトリウムイオンを含有する電解液に添加することにより、一価カチオン(陽イオン)の溶媒和構造が改変され、リチウムやナトリウム金属析出の活性化過程が制御されて、平坦な析出形態を維持できることを発見しました。これは、金属負極電池に向けた新たな電解液設計指針を与えるものです。多くの超えるべき課題を解決する端緒となり、実用化への大きな一歩になることが期待されます。
本成果は2022年5月20日11時(米国東部時間)に、Cell Pressが刊行するCell Reports Physical Science誌に公開されました。

図1 多価カチオン添加による电解液构造の改変とアルカリ金属の析出形态へ与える影响
【用语解説】
※1 アルカリ土类金属
周期表第2族のうちカルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウムの4元素の総称。これにベリリウム、マグネシウムを加えた6元素を指すこともある。イオン化倾向が大きく、电子2个を失って二価カチオンになる。
※2 アルカリ金属.
周期表第1族元素のうち水素を除くリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムの6元素の総称。元素中で最もイオン化倾向が大きく、电子1个を失って一価カチオンになる。イオン化により、大きいエネルギーの利得を得られるため、电池材料として注目されている。アルカリ金属元素を利用した蓄电池として、リチウムイオン电池やナトリウム硫黄(狈础厂)电池が挙げられる。
问い合わせ先
◆研究内容に関して
东北大学金属材料研究所
先端エネルギー材料理工共创研究センター
特任助教 李 弘毅
罢贰尝:022-215-2390
E-mail:li.hongyi*tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)
◆报道に関して
东北大学金属材料研究所 情報企画室広報班
罢贰尝:022-215-2144 贵础齿:022-215-2482
贰-尘补颈濒:辫谤别蝉蝉.颈尘谤*驳谤辫.迟辞丑辞办耻.补肠.箩辫(*を蔼に置き换えてください)
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