2022年 | プレスリリース?研究成果
音声コミュニケーションの「個性」はどこから生まれるのか -父親の加齢が新生仔マウスの音声行動に及ぼす影響-
【本学研究者情报】
〇医学系研究科発生発达神経科学分野 教授 大隅典子
【発表のポイント】
- 新生仔マウスの超音波発声(鲍厂痴)注1は、母亲マウスとの音声コミュニケーションの一つであり、ヒト新生児における泣き声のモデルとなる可能性がある。
- 机械学习等を用いた详细な数理解析により、加齢父由来の新生仔マウスでは、典型的な音声発达のパターンから外れた「非典型」个体が多く観察された。
- 音声コミュニケーションの発达过程と神経発达障害注2の新たな神経基盘の解明に贡献できると期待。
【概要】
ヒトの新生児の泣き声は生得的なコミュニケーションの一つの形です。新生児の泣き声は子によってバリエーションがありますが、ある种の神経発达障害においては特徴的な异常が観察されるとの报告があります。新生仔マウスも、母亲や同腹の仔から离されると、超音波発声により母亲の注意を引きます。新生仔マウスの超音波発声は、音声コミュニケーションのための社会的シグナルとして机能しており、ヒト新生児の泣き声のモデルにできる可能性があります。东北大学大学院医学系研究科?発生発达神経科学分野の大隅典子教授らを中心とする研究グループは、父加齢がマウスの音声コミュニケーションの初期発达に与える影响を、机械学习を用いた分类方法により详细に解析しました。その结果、父加齢により、仔マウスの超音波発声の回数と持続时间が减少し、鸣き声のパターンが変化することを明らかにしました。さらに、加齢父由来の仔マウスには、典型的な音声発达の筋道から外れた「非典型」个体が多くいることが示されました。本研究は、父亲の加齢が次世代の初期音声コミュニケーションの発达へ与える影响を解明した初めての报告です。
本研究成果は、2022年8月10日(米国东部标準时、日本时间8月10日)颈厂肠颈别苍肠别誌(电子版)に掲载されました。

図. 研究の概要
父加齢が次世代マウスの音声コミュニケーションの初期発达に与える影响。若い父から生まれた仔マウスは、生后の発达过程において、音声レパートリーが豊富で(定型的音声発达)、収束的な発声特性を示すのに対し、加齢父から生まれた仔マウスは、レパートリーが少なく、より発散的な発声パターンを示す(非定型的音声発达)。
【用语解説】
注1. 超音波発声:生後1?2週間の齧歯類(マウスおよびラット等)が超音波領域で発する音声。母性行動を誘発する音声コミュニケーションとして知られている。自閉スペクトラム症で見られる言語コミュニケーション異常のモデルとして、母仔分離により引き起こされる仔マウスの超音波発声が近年、着目されるようになってきた。
注2. 神経発達障害:脳の発生発達過程において、なんらかの機能的な問題が関係して生じる障害の総称。自閉症スペクトラム症、注意欠如?多動症、知的障害、学習障害などが含まれる。
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学大学院医学系研究科発生発达神経科学分野
教授 大隅 典子
电话番号:022-717-8203
贰メール:辞蝉耻尘颈*尘别诲.迟辞丑辞办耻.补肠.箩辫(*を蔼に置き换えてください)
(取材に関すること)
东北大学大学院医学系研究科?医学部広报室
电话番号:022-717-8032
Eメール:辫谤别蝉蝉*辫谤.尘别诲.迟辞丑辞办耻.补肠.箩辫(*を蔼に置き换えてください)
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