2023年 | プレスリリース?研究成果
感染症対策で経済も両立させるための基本原理を解明 理論研究が導く普遍的な対策指針
【本学研究者情报】
〇大学院理学研究科
准教授 本堂 毅
【発表のポイント】
- 理论物理学の方法论で费用便益分析(注1)と理论疫学(注2)を用いた解析を行いました。
- 感染拡大初期から适切な强度の対策を継続的?计画的に行えば、生命と経済、双方の损害を共に小さくできるという结果を得ました。
- 夏や冬の感染拡大时、経済と両立させる感染対策の具体的指针となることが期待されます。
【概要】
新型コロナウイルス感染症などの感染症対策では感染者や死者を抑えるために、ロックダウン、あるいはそれに準ずる対策が必要となる场合があります。しかし、このような感染対策のみでは経済や财政が疲弊し、贫困などから死に至る国民も増加します。感染症対策の要諦は、経済や财政との両立にあります。
これまでの感染症対策と経済に関する研究では、生命と経済、双方への损害を少なくする方法がほとんど见つかっていなかったため、生命と経済のどちらかを重视するバランスの问题として捉えられ、二者択一的なものも少なくありませんでした。
东北大学大学院理学研究科の本堂毅准教授は、理论物理学の方法论で费用便益分析(注1)と理论疫学(注2)を用いた解析を行い、感染拡大初期から适切な强度の対策を継続的?计画的に行えば、生命と経済、双方の损害を共に小さくできるという结果を得ました。
この方策は、政府の新型コロナ対策「基本的対処方针」とは対照的なものです。现在の対処方针では、感染拡大初期では対策を留保し、感染が爆発的に拡大した段阶で紧急事态宣言等による强い対策を取ることが予定されています。本研究を踏まえれば、この対処方针は、生命と経済、双方の损害をむしろ大きくすると考えられます。
本研究成果は3月29日、Journal of the Physical Society of Japan に掲載されました。

図1. 感染増加初期に対策を保留し、後に対策を強化する経路Aと、感染初期から適度な対策を行う経路Bのコストの比較。経路Aの経済影響コストと感染者総数(医療的コスト)は、経路Bのそれよりも高いことが理論的に証明されました。
【用语解説】
注1. 費用便益分析:
対策の実施に要する费用に対して、その対策の実施によって社会的に得られる便益の大きさを见积もる経済学の解析方法。新型コロナの场合は、感染対策の実施によって生ずる経済の停滞を含むコストに対して、感染対策の実施によって得られる人的损害と医疗コストの缩小量を见积り、両者を比较すること。
注2. 理論疫学:
感染症での感染者の増减を微分方程式などの数理モデルを用いて记述?予测する研究。
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学大学院理学研究科
准教授 本堂 毅(ほんどう つよし)
TEL: 022-795-5823
E-mail: hondou*mail.sci.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(报道に関すること)
东北大学大学院理学研究科
広报?アウトリーチ支援室
TEL: 022-795-6708
E-mail: sci-pr*mail.sci.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
东北大学は持続可能な开発目标(厂顿骋蝉)を支援しています