2023年 | プレスリリース?研究成果
不規則なガラス構造に潜む規則性を発見! ─ガラスの物性評価や効率的な新規ガラス開発の指針に─
【本学研究者情报】
〇未踏スケールデータアナリティクスセンター
教授 志贺元纪
【研究成果のポイント】
- ガラス(注1)构造から抽出したリング形状を定量化することで、无秩序に见えるガラス构造内在する规则性を数値评価する技术を开発しました。
- リング形状とその周辺における原子の存在确率を定量化することによって、ガラス中における结晶(注2)に类似する构造の抽出に成功しました。
- 新开発の材料构造の定量评価技术は、ガラス材料の物性発现の解明、さらに、データ駆动型の高性能材料探索への寄与が期待されます。
【概要】
ガラスは、窓ガラスやディスプレイのように现在の日常生活に欠かせない基盘材料です。一方で、その原子配置が一见无秩序で复雑なために、构造の理解や制御が难しく、合理的な材料设计には多くの课题が残されています。これらの课题を解决するためにガラス构造の定量的な评価技术が必要とされ、これまで国内外で几何学などに基づく解析法の开発が取り组まれてきました。
东北大学未踏スケールデータアナリティクスセンター(同大学院情报科学研究科兼任)の志贺元纪教授と早稲田大学理工学术院の平田秋彦教授らの研究グループは、シリコンと酸素だけからなるシリカガラス(石英ガラス)のネットワークに内在するリング构造に着目して、"真円度"および"粗さ"という新たな指标を开発し、リング构造の3次元的な定量化に成功しました。従来、リングの构成原子数のみが解析に用いられてきましたが、本指标を用いることで、ガラスを构成するリングには、数种のシリカ结晶と同様なものと、ガラス独特の形状のリングが共存することを初めて明らかにしました。さらに、リング周辺における原子分布を定量化することによって、ガラスの局所构造は结晶と同様に异方性を持ち、强い秩序が存在することを明らかにしました。
本研究成果は、Communications Materialsに2023年11月3日にオープンアクセス公開されました。

図1. リング構造の形状指標:(a)形状指標の計算手順、(b)シリカ(SiO2)のリング形状指標の計算例、(c) シリカのガラスと結晶(9種類)の形状指標の分布
【用语解説】
注1. ガラス:
不规则な原子配置から构成される非晶质(アモルファス)の固体。ガラスの构造は、各原子の化学结合の数(配位数)や角度に分布があるが、完全に无秩序ではない。
注2. 结晶:
规则正しい原子配置から构成される固体。
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学未踏スケールデータアナリティクスセンター
东北大学大学院情报科学研究科
教授 志贺元纪(しがもとき)
TEL: 022-752-2205
Email: motoki.shiga.b4*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(报道に関すること)
东北大学情报部デジタルサービス支援课
総务係
TEL: 022-795-3407
Email: cc-som*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
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