2023年 | プレスリリース?研究成果
金属中の水素の流れを動画撮影する技術を開発 水素社会を支える高機能材料の開発を迅速化する新技術として期待
【本学研究者情报】
〇金属材料研究所 助教 柿沼洋
【発表のポイント】
- 従来の検出技术では金属中の水素原子は観察が困难でしたが、光学顕微镜と「水素原子と反応して色が変わる高分子」を用いて、水素原子が流れる様子の撮影に成功しました。
- 金属中の水素原子の流れを动画として撮影し、「金属のミクロな构造」と「水素の流れ」の関係を世界に先駆けて実験的に解明しました。
- 本手法は金属中の水素原子のふるまいを解析する道を拓き、水素社会を支える高机能材料の开発を飞跃的に促进することが期待されます。
【概要】
地球上のあらゆる场所に存在する水素は、国内でも製造できるだけでなく、利用时に二酸化炭素を排出しない环境にやさしいエネルギー源として期待されています。水素エネルギーを基盘とした社会(水素社会)の実现には、水素を製造、贮蔵、输送そして保存するための材料が重要です。水素に関连する高机能の金属材料を开発するためには、材料中の水素のふるまいを理解する必要がありますが、最小原子である水素原子はその特异な性质ゆえに齿线等では検出が难しいと考えられています。したがって、従来技术では金属中の水素原子を高空间分解能かつ高时间分解能で観察することは困难でした。
东北大学金属材料研究所の柿沼洋助教らは、光学顕微镜と"水素原子と反応して色が変わる高分子"を用いて新しい水素観察手法を开発し、広い视野における金属中の水素原子の流れを高空间分解能で动画として撮影する技术の开発に世界で初めて成功しました。本成果により、これまで不明瞭であった原子レベルの金属の构造とマイクロスケール(注1)の水素のふるまいの因果関係を直接観察できるため、耐水素材料や水素透过膜のような水素社会を支える机能性材料の开発を飞跃的に促进することが期待されます。
本研究成果は2023年11月17日に、無機物材料分野の専門誌Acta Materialiaに掲載されました。

図1. (a) 従来技術と本研究で開発した水素観察技術の性能比較 (b) ポリアニリンを用いた水素可視化法の断面模式図
【用语解説】
注1. マイクロスケール ミリメートル(mm)の1000分の1の長さをマイクロメートルといいます。マイクロスケールはマイクロメートル程度という意味になります。
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学金属材料研究所
助教 柿沼洋
罢贰尝:022-215-2062
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(报道に関すること)
东北大学金属材料研究所
情报企画室広报班
罢贰尝:022-215-2144 贵础齿:022-215-2482
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