2024年 | プレスリリース?研究成果
ウィルス検査用高感度検出プローブを開発 金ナノ粒子シェル構造により1粒子の吸光度を向上
【本学研究者情报】
〇材料科学高等研究所 教授 藪浩
【発表のポイント】
- 自己组织化プロセスにより金ナノ粒子を表面に密に集积することで、大きな吸光度を持つ粒子を作製しました。
- その粒子に抗体を结合させることで高感度な抗原抗体反応のプローブ(注1)を実现しました。
- さまざまな疾病マーカーの高感度検出への适用が期待されます。
【概要】
インフルエンザや新型コロナウィルスなど感染症の抗原検査としては、イムノクロマト法(注2)が一般的です。この方法では、プローブとして検出抗体を结合した金ナノ粒子が用いられています。しかしながら金ナノ粒子のサイズが数nm?数10nmと小さく、光学断面积が小さいため、検出のためには大量の粒子を必要とするという课题がありました。
东北大学材料科学高等研究所(WPI-AIMR)の藪浩教授(主任研究者、同研究所水素科学GXオープンイノベーションセンター副センター长)、および综研化学(株)新规事业企画部からなる研究グループは、高分子の相分离と静电相互作用を用いた自己组织化プロセスにより、高い光学密度をもつコンポジット微粒子(Gold Nanoparticle Decorated Polymer (GNDP) 粒子)を作製し、そこにインフルエンザ抗原に対する抗体を结合すること、抗原を高感度に検出できる検出プローブとなることを见出しました(図1)。本成果はインフルエンザなどの感染症の高感度な検出を可能とするだけでなく、抗原量の定量测定や、さまざまな疾病マーカーを高感度に検出する新たなプローブ粒子としての利用が期待されます。
本研究成果は、現地時間の1月30日に米国化学会におけるコロイド?界面科学分野の代表的な専門誌Langmuirのオンライン速報版に掲載され、同誌のSupplementary Coverにも採用されました。

図1. 本研究で開発したGNDP粒子プローブと抗原抗体反応検査(イムノアッセイ)の原理図。
【用语解説】
注1. プローブ
元々は测定や実験などのために试料に接触して测定を行う针のことを指すが、抗原抗体検査では検出するために用いる物质のことを指す。
注2. イムノクロマト法
毛管力で液体を吸い上げるセルロース多孔质などの検査シート上に抗原に対する抗体を固定化し、検査试薬とともに検体を毛管力を使って流すことにより、抗原抗体反応の有无を検査する検査システムの一つ。妊娠検査薬やインフルエンザの抗原検査など、広く用いられている。
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学材料科学高等研究所 (WPI-AIMR)
教授 藪 浩(やぶ ひろし)
TEL: 022-217-5996
Email: hiroshi.yabu.d5*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(报道に関すること)
东北大学材料科学高等研究所 (WPI-AIMR)
広报戦略室
TEL: 022-217-6146
Email: aimr-outreach*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
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