2024年 | プレスリリース?研究成果
応力を記録する新材料の開発に成功 老朽化が進むインフラの構造診断の技術革新に期待
【本学研究者情报】
〇大学院工学研究科 材料システム工学専攻
教授 徐 超男
【発表のポイント】
- 机械的刺激に対する応力を记録する新材料を开発しました。
- 新材料を构造物等の表面に涂布し、残光(注1)を観察することにより、过去に受けた荷重を定量的かつ长期的に読み出すことが可能です。
- 构造诊断検査技术に応用することで、持続可能な社会への贡献が期待されます。
【概要】
日本では现在、特に高度経済成长期に建设された道路や桥梁、トンネルなどの社会インフラや高层ビルの老朽化が大きな社会问题となっております。そのため、それら构造物の事故防止や长寿命化のために新たな构造诊断検査技术のニーズが急速に高まっています。将来的な方法の一つとして、机械的刺激に反応し発光する応力発光体(注2)を构造物に涂布し検出する方法があります。しかし発光を観测できるのは机械的刺激を受けた时点のみという课题がありました。
东北大学大学院工学研究科の内山智贵助教と徐超男教授らは、产业技术総合研究所と佐贺大学との共同研究により、机械的刺激に対する応力を记録し、それを定量的かつ长期的に読み出すことが可能な新たなマルチピエゾ材料(注3)である复合酸化物の笔谤添加尝颈0.12Na0.88NbO3を开発しました。
本材料は电源や复雑な装置ならびにその场観察が不要なため、省エネルギーであり、さらに滨辞罢(注4)技术と组み合わせることで、検査に要する人手不足や费用削减につながり、持続可能な社会への贡献が期待されます。
本成果は、2024年4月25日に米国物理学協会誌 Applied Physics Letters のオンライン版で公開されました。

図1. (左)応力記録を読み出した時の残光像 (右)有限要素法解析による計算結果
【用语解説】
注1. 残光
蛍光体に紫外线などの光を照射した后、光を切っても発光続ける现象。
注2. 応力発光体
1990年代に徐教授らによって発见された、力学刺激のひずみエネルギーに相関して繰り返し発光する材料。
注3. マルチピエゾ材料
超高感度応力発光特性と巨大圧电特性を併せ持つ材料。これまでの応力発光材料とは全く异なるメカニズムで强い発光を示すため注目を集めている材料である。
注4. IoT
Internet of Thingsの略。日本語でモノのインターネットと訳し、センサーを取り付けた様々なモノの情報がインターネットを通してつながる技術のこと。
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学大学院工学研究科
教授 徐 超男
TEL: 022-795-7348
Email: chao-nan.xu.c8*tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)
(报道に関すること)
东北大学大学院工学研究科
情报広报室
担当 沼澤 みどり
TEL: 022-795-5898
Email: eng-pr*grp.tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)
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