2024年 | プレスリリース?研究成果
フェロトーシス感受性を制御するセレン運搬タンパク質を同定 -がんや神経変性疾患研究への応用につながる成果-
【本学研究者情报】
〇大学院农学研究科 助教 伊藤隼哉
〇大学院医学系研究科 非常勤讲师 叁岛英换
【発表のポイント】
- がん治疗の新戦略として注目されている细胞死フェロトーシスに対する感受性を制御するタンパク质として、「笔搁顿齿6」を新たに同定しました。
- 笔搁顿齿6には、酸化ストレス制御に必要な微量元素である「セレン」の细胞内有効利用を促进するという新规の机能を有することを解明しました。
- 笔搁顿齿6はがんの増殖や脳内のセレン利用に重要な役割を担うことから、抗がん剤の开発やアルツハイマー病などの病态解明に向けた新たな标的分子として期待されます。
【概要】
フェロトーシスは、酸化ストレスに関连して生じる脂质过酸化依存性の细胞死であり、アルツハイマー病などの神経変性疾患の病态や、がんの治疗抵抗性などに関わることが知られ、治疗标的として注目を集めている生命事象です。
东北大学大学院農学研究科の伊藤隼哉助教、仲川清隆教授、大学院医学系研究科の三島英換非常勤講師、大学院薬学研究科の外山喬士講師、斎藤芳郎教授らは、ドイツ?ヘルムホルツセンターミュンヘン 中村俊崇研究員(当時)、Marcus Conrad教授らとの国際共同研究により、抗酸化酵素の一つであるペルオキシレドキシン6(PRDX6)が、生体内の酸化ストレス制御に必要な微量元素であるセレンの細胞内での有効利用を促すという、これまで知られていなかった機能を担っており、それによってフェロトーシスを制御していることを明らかにしました。またPRDX6は、がんの増殖や脳内でのセレンの利用効率にも重要な役割を担っていることが示されました。本成果はPRDX6を標的とした新たな抗がん薬や神経変性疾患の治療薬開発につながることが期待されます。
本研究成果は2024年11月14日に国際学術誌Molecular Cellに掲載されました。

図:笔搁顿齿6は、必须微量元素である「セレン」の细胞内运搬の役割を担うことで、セレンの利用効率を高め、骋笔齿4をはじめとしたセレンタンパク质の合成を促进する。その结果、フェロトーシスを抑制する。笔搁顿齿6を欠损させると、がん细胞はフェロトーシスを起こしやすくなり、脳ではセレンタンパク质の発现の低下を引き起こす。
【论文情报】
タイトル:PRDX6 dictates ferroptosis sensitivity by directing cellular selenium utilization
著者: Junya Ito, Toshitaka Nakamura, Takashi Toyama, Deng Chen, Carsten Berndt, Gereon Poschmann, André Santos Dias Mour?o, Sebastian Doll, Mirai Suzuki, Weijia Zhang, Jiashuo Zheng, Dietrich Trümbach, Naoya Yamada, Koya Ono, Masana Yazaki, Yasutaka Kawai, Mieko Arisawa, Yusuke Ohsaki, Hitoshi Shirakawa, Adam Wahida, Bettina Proneth, Yoshiro Saito, Kiyotaka Nakagawa, *Eikan Mishima, *Marcus Conrad (*責任著者)
掲載誌:Molecular Cell
DOI:
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学大学院农学研究科 食品机能分析学分野
助教 伊藤隼哉(いとう じゅんや)
TEL: 022-757-4419
Email: junya.ito.d3*tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)
东北大学大学院医学系研究科
肾臓内科学分野
非常勤講師 三島英換(みしま えいかん)
Email: eikan*med.tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)
(报道に関すること)
东北大学农学部 総务係
TEL: 022-757-4003
Email: agr-syom*grp.tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)
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