2025年 | プレスリリース?研究成果
小惑星ベヌーにアミノ酸など多くの生体関連分子が存在! ~DNA/RNAに必須の5種類の核酸塩基も全て検出~
【本学研究者情报】
〇大学院理学研究科 地学専攻
准教授 古川 善博(ふるかわ よしひろ)
【発表のポイント】
- 小惑星ベヌーから持ち帰られたサンプルからアミノ酸や核酸塩基など多种の生体関连分子を検出。
- 多くの有机分子は低温环境における高浓度アンモニア溶液中の反応で生成した。
- 地球外环境における化学进化及び小惑星の起源に関する理解が飞跃的に発展。
【概要】
北海道大学低温科学研究所の大场康弘准教授、海洋研究开発机构の高野淑识上席研究员(庆应义塾大学先端生命科学研究所特任准教授/同大学院政策?メディア研究科特任准教授)及び古贺俊贵ポストドクトラル研究员、东北大学大学院理学研究科の古川善博准教授、九州大学大学院理学研究院の奈良冈浩教授らが所属する国际研究グループ(OSIRIS-REx sample analysis team)は、アメリカNASA主导の小惑星探査计画「OSIRIS-REx」で炭素质B型小惑星(101955)ベヌー(Bennu)から持ち帰られた粒子から、アミノ酸や核酸塩基、カルボン酸、アミンなど、様々な有机化合物の検出に成功しました。
2023年9月24日、「OSIRIS-REx」探査机によって炭素质小惑星ベヌー试料121.6グラムが地球に届けられ、「はやぶさ」探査机によるS型小惑星イトカワ试料、「はやぶさ2」探査机による炭素质C型小惑星リュウグウ试料に続いて、世界で3例目の小惑星リターンサンプルが実験室で分析可能になりました。NASAゴダード宇宙飞行センターのダニエル?グレイビン博士をリーダーとする有机化合物分析チーム(SOAWG)では、持ち帰られた粒子に含まれる有机化合物を网罗的に分析しました。
分析チームがこれまでに培ってきた地球外试料分析技术を用いて、初期分析用に配分された约300ミリグラムの试料から、アミノ酸33种(うち、14种のタンパク性アミノ酸)、地球生命の遗伝子に含まれる核酸塩基全5种を含む窒素复素环化合物*123种など、未同定なものを含めて10,000种にも及ぶ窒素を含む有机化合物を検出しました。検出されたアミノ酸は右手?左手构造がほぼ等量存在しました。これらの结果は、小惑星が地球に多様なアミノ酸を供给したことを示唆し、地球生命のアミノ酸のホモキラリティの起源の谜をさらに深めることになりました。また、アミノ酸や核酸塩基など生体関连分子合成の材料となるアンモニアの浓度が、これまでに分析された炭素质陨石や小惑星リュウグウと比べて特异的に高いことが分かりました。これは、検出された有机化合物は低温环境におけるアンモニア溶液中での反応で生成した、というこれまでにない地球外有机物合成に関する知见をもたらしました。
なお、本研究成果は、2025年1月30日(木)公开のNature Astronomy誌に掲载されました。

ベヌー试料の写真と帰还试料から検出された有机成分の概念図(? NASA)
【用语解説】
*1 窒素複素環化合物 ... DNAやRNAを構成している核酸塩基のように窒素原子が環状化合物の基本骨格の一部を構成する有機化合物群のこと。
【论文情报】
タイトル:Abundant ammonia and nitrogen-rich soluble organic matter in samples from asteroid (101955) Bennu
著者: (下記の詳細よりご覧ください)
掲載誌:Nature Astronomy
顿翱滨:
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学大学大学院理学研究科地学専攻
准教授 古川 善博 (ふるかわ よしひろ)
TEL: 022-795-3453
Email: furukawa*tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)
(报道に関すること)
东北大学大学院理学研究科
広报?アウトリーチ支援室
電話: 022-795-6708
Email:sci-pr*mail.sci.tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)