2025年 | プレスリリース?研究成果
量子もつれを破壊しないで特性評価できるアルゴリズムを開発 ─ 量子情報処理のセキュリティー強化や情報処理能力向上に期待 ─
【本学研究者情报】
〇学际科学フロンティア研究所
助教 Le Bin Ho
【発表のポイント】
- 量子コンピューターの量子特性の测定精度を向上させるため、量子もつれ(注1)の検出を最适化する量子アルゴリズムを提案しました。
- 局所测定による量子もつれの破壊を防ぐため、非局所测定法を导入し、もつれの状态を保护するものであり、検出と保护の両方を行う量子アルゴリズムが使われたのは今回が初めてです。
- 量子コンピューター、量子通信、量子暗号などに応用可能なものであり、実社会における情报セキュリティ向上や情报処理能力の向上に寄与することが期待されます。
【概要】
量子もつれは量子力学の基本概念であり、量子コンピューターは量子もつれの上に构筑されています。同时に、量子コンピューターはその性质を调査し、明らかにするための强力なツールでもあります。
东北大学学际科学フロンティア研究所のLe Bin Ho助教と英国ロンドンのパブリックスクールであるセント?ポールズ?スクールのHaruki Matsunaga氏は、量子コンピューターによる量子もつれの検出を強化し、もつれて(エンタングルして)いるかどうかを判定する手法のエンタングルメント?ウィットネスによる測定を最適化する、変分エンタングルメント?ウィットネス方式(VEW)を提案しました。従来の局所的な測定では量子もつれを破壊してしまうことがありますが、本研究では非局所的な測定法によって、量子もつれの破壊を引き起こすことなく量子特性を測定するアプローチを導入しました。量子もつれの検出と保護の両方を行う量子アルゴリズムが使われたのは今回が初めてです。
本アルゴリズムは、量子コンピューター、量子通信、量子暗号などの分野で応用され、実社会における情报セキュリティ向上や情报処理能力の革新に寄与することが期待されます。
本成果は、3月4日、米国物理学会の学術誌Physical Review Researchに掲載されました。

図1. 変分エンタングルメント?ウィットネス(VEW)方式の可視化。左:評価を待つ多くの量子状態が並んでいます。各状態はVEW法を使用して一つずつ分析されます。右:結果に基づいて、状態はもつれ部分空間(赤い楕円)または可分部分空間(青い楕円)に分類されます。
【用语解説】
注1 量子もつれ:複数の粒子間に量子力学的な相関がある状態。量子もつれ状態にある2つの光子(電子、量子ビットなど)では、片方の状態が決まるともう一方の状態もそれに応じて決まり、その関係は粒子間の距離に依存しないといった特異的な性質である。これを応用した量子計算、量子テレポーテーション、量子暗号などが研究されている。
【论文情报】
タイトル:Detecting and protecting entanglement through nonlocality, variational entanglement witness, and nonlocal measurements
著者: Haruki Matsunaga, Le Bin Ho
*責任著者:东北大学学际科学フロンティア研究所 新領域創成研究部
助教 Le Bin Ho
掲載誌:Physical Review Research
顿翱滨:
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学学际科学フロンティア研究所助教Le Bin Ho
Email: binho*fris.tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)
(报道に関すること)
东北大学学际科学フロンティア研究所
特任講師 児山 洋平
TEL: 022-795-4353
Email: yohei.koyama.e2*tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)
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